首都防衛シミュレーション

思考が切り開く新未来

国、東京都、各省庁の首都直下型地震予測の比較検討について〜東京都

首都直下型地震予測の比較検討、東京都です。なるべくわかりやすくご紹介します。
全てのリンクは東京都防災ホームページからの引用になります。
( 尚PDF資料はとても大きいのでモバイルの場合はご注意下さい )
2022年現時点では以下が基本のスキームです。防災トータルのプランの中に首都直下型地震の対応がまとめられている感じです。
結構わかりずらいのですが、東京都防災ホームページのトップページから → 東京都の取り組み→ 計画 と進みますとたどり着きます。

東京都防災プラン2021
https://www.bousai.metro.tokyo.lg.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/013/021/2021report1n.pdf

そしてこちらは震災初動対応中心の対処要領です。

平成26年4月に「首都直下地震等対処要領」を策定。平成28(2016)年3月に改定

都及び警察、消防、自衛隊海上保安庁などの各機関の役割分担に基づく、発災後72時間を中心に取り組む基本的な連携の内容と手順を示すマニュアル。

 www.bousai.metro.tokyo.lg.jp

こちらを土台にして2022年に最新の予測が発表されました。東京都防災会議とは主に被害想定を予測し取りまとめる都知事直属の機関による会議です。

東京都の新たな被害想定 ~首都直下地震等による東京の被害想定~

首都直下地震等対処要領が震災初動からの動きについてならば初動以降から長期の復興についての取り組みについては以下です。

東京都震災復興検討会議 (東京都防災ホームページ内)H.10~30
https://www.bousai.metro.tokyo.lg.jp/taisaku/torikumi/1005169/1004427.htm

さて当ブログではこれらの資料を深掘りしすぎずに消化して行きたいと思っています。

以下は首都直下地震等対処要領からの引用です。ざっと約20万人体制による震災初動対応の人員です。 

この前提の上に立ってなお、前出の新たな被害想定を調べて見れば中長期的に全く見通しの立たない様子が見て取れます。あえてとても単純に抜粋をまとめたものを書いてみます。

 

 

1ヶ月経っても避難所のトイレの水すら間に合わないケースもある。水道が全面復帰するのはずっと後。

1ヶ月経っても食料の供給もまちまちの状態が続いている。

自宅待機であれ避難所であれ時間を追う毎に生活は困難化をして行く。

要はまるっきりカオスな状態が長期化するのは間違いないと予測されているわけです。
そうなれば復興を待たずに移住の場合、個人あるいは勤め先の企業による移住をスムースに実行できれば良いですが、行政による移住策、仮設住宅の割り当て等を一つのポイントとする多くの人々には気の長い忍耐が求められるわけです。

ですから公園の池によるトイレ洗浄徒歩による支援物資輸送のシステム作りを先導しようとしているのです。

排泄物を水と土に還す。それをチームとして秩序を求め行う。そのチームで支援物資を管理分配する。全体の秩序を保ち行政機関の動きと連携を調整して行う。
地域の結びつきが希薄なエリアでは連携やコミュニケーションが円滑に機能せずに治安の悪化にも繋がりかねないとも予測されています。
連携の基点となるチームを迅速につくる事とその調整を念頭に置いておく事はとても重要になるはずです。
いざとなれば誰でもやれることですし自然発生的に行われるはずの流れでもあるかとも思います。もちろん問題を少しだけ軽減させるレベルであったとしてもです。

であるならば今からコンセンサスを拡散しておいたら良いではないですか。

スタートと同時にボランティアを絡ませて動き始めることを狙うのです。
少しの同意だけで大丈夫だと思います。
うまくいけばすぐに情報は拡散し全体の効率性を向上させます。

✳︎以下は重要箇所抜粋をあくまで参考として

第 20 回東京都震災復興検討会議議事録 平成 30 年 12 月3日(月)

P7~ (2) 検討事項  東京都震災復興マニュアルの修正について

次に、広域的な避難者の対応についての事項になります。東日本大震災等の大規模震災時には、大量の広域的な避難者が発生して、避難生活、仮住まい生活の長期化が実際に出ております。
こういった長期化等に伴っていろいろな課題も顕在化しております。首都直下地震等の発生時も、こうした事態が想定されることから、広域的な避難者の把握や住まい、暮らしの再建に向けた支援方法を検討していきます。

次に、オープンスペースの利用調整に関することです。大規模災害時には、がれき(廃棄物)の集積所であるとか、また応急仮設住宅の建設など各種の用地需要が発生します。 
ただ、これらの用地確保や利用調整が過去の災害においても課題となっております。発災時の緊急・応急対策から復興の過程において、必要な用地(オープンスペース)の利用調整を適切に行っていくため、利用調整の主体や内容等について検討して、実行性の向上を図ってまいります。

P10~ (2)検討事項 東京都震災復興マニュアルの修正について

1点目が、資料5の1ページ目の、家屋被害概況調査・家屋被害状況調査の調査方法の見直しについてです。
この調査は、都市復興の基本方針等の策定に必要となる基礎調査になりますけれども、調査の主体となる区市町村が避難所対応等に追われさて、調査困難な状況に陥るおそれがあります。

また、1カ月を目途に実施する家屋被害状況調査についても、 現在の住家被害認定の調査方法を基本とした住戸別の調査では、1カ月で完了しないおそれがあります。そのため航空写真等に加えて、国等の他機関が情報するデータを調査して、1週間以内に完了できる調査方法の見直しを検討します。

資料5の裏面をご覧ください。2点目が、時限的市街地を設置するに際しての実施制度・ 仕組みの検討です。時限的市街地とは、甚大な被害を受けた地域で、本格的な復興までの緊急避難的な生活の場として、応急仮設住宅、店舗、事業所等の既存建築物と組み合わせた市街地のことでございます。

現行の復興マニュアルにおいては、おおむね3カ月を目途に時限的市街地を必要に応じて設置することとしています。しかし、オープンスペースの少ない東京では、被災地を更地化して、仮設住宅等を設置せざるを得ない状況がございます

そのため、時限的市街地を設置する際の実施制度、仕組みの検討が必要です。時限的市街地を設置する上での関係法令等を整理して、モデルケースの検討を行った上で、法的手続等実施制度・仕組みを明確にしていきます。

1点目は、仮設住宅、特にみなし仮設住宅の提供に関することです。被災者の住まいの再建に向けた仮住まいとしては、借上型の応急仮設住宅、みなし仮設住宅について、熊本地震ではかなり多くの供給をしましたが、受付から契約までの業務量が膨大で、混乱が生じたという課題が発生しました。
この課題に対して、仮設住宅への入居を円滑に行えるよう、借上型仮設住宅の提供に係る体制の整備を検討します。 
次に、被災住宅の応急修理の実施に係る体制の整備についてです。熊本地震においては、業者不足等において修理工事がなかなか進まず、申し込み受付期間をたびたび延長しました。また、件数がとても多くて、職員の業務量が膨大となりました。このような課題を踏まえて、施工業者の確保や事務処理の迅速化についての再整理が必要です。被災住宅の応急修理の実施に係る体制を整備するため、応急修理を実施する関係業界団体との協定締結等の検討を行います。

P11~
次に、応急仮設住宅の建設に係る体制の整備についてです。熊本地震等において、配置計画の検討・決定や用地確保のため、着工までに時間を要したという課題が出ました。このため、早期に着工できる体制の再整理が必要です。
応急仮設住宅の建設に係る体制を整備していくため、用地の確保や工事発注等に係る業務フローの検討を行っていきます。

P20~
被災者個人の復興への支援ということと同時に、被災地の復興をどう迅速に進めていくかというときに、関係権利者を、つまりまちづくりの関係者を散らさないというか、まちづくりを責任持ってやってもらうための仮住まいの場所として、東京都は時限的市街地というのを位置づけてきたはずなんですよ。
それを今後どういうふうにうまく運用するかという話です。実際に法律もできて、被災地短期借地権という枠組みだけはできた。立地の問題というのは、これをどううまく運用するかという課題でもあると思うのです。

P25~
〇加藤(孝)委員  

中林先生が言われたことに通じますが、基本的には東京の地域特性をきちんと考慮することが非常に重要だと思います。今回の見直しでは、基本的にはマニュアルを精緻化していこうということではあるのだけれども、マニュアルを精緻化しただけでは対応できない東京の地域特性というのがあると思います。

今まで経験したことがないような超高密、膨大な被害に対して、内閣府が準備している従来のスタンダードとか過去の被害事例から学ぶだけでは、全く対応できないことがたくさんあると考えています。

今まで出てきた意見は、杉山委員の意見も含めて根幹はここにあると思います。住宅の問題もそうだし、1ページ目にありましたオープンスペースの利用調整をすることもそうだと思います。利用調整以前に絶対的に不足していて、がれき置き場のフェーズで多分スタックするのではないかと危惧します。
そういう標準的なやり方では根幹的にどうにもならないところのボトルネックをきちんと拾い出して、それをどうしていくかということを考えることがむしろ重要だと思います。
だから幾らマニュアルを精緻化していっても、対応仕切れない部分があると思います。

オープンスペースに関しては、仮設用地の確保も同じ問題を抱えていると思います。 みなし仮設の問題もいろいろ意見が出てきましたが、みなし仮設で東京都が賃貸を全部押さえることによる、さまざまな弊害もあるかと思うのです。そういったことも含めてオリジナルの東京方式みたいなものを、頭を少し柔軟にして検討していくことが必要ではないかと強く感じます。
以上です。

P33~
〇金井委員
既に諸先生方が言っておられることは、尤もだと聞いておりましたし、特につけ加えることはないんですけれども、若干素人的な感想を述べさせていただければと思います。

第1点は、今回の組織体制が変わって、総務局はどちらかというと応急のほうが中心になって、復興のほうは政策企画局のほうに行ってしまうということなので、この復興施策編のマニュアルの改定自体を何で総務局がやるのかなということ自体がいま一つよくわかってなくて、総務局の会議では応急の話だけやればいいのかなという気もするのです。
とはいえ、そういうふうにやると、また変な縦割りになってトラブルが起きそうな気もします。組織、応急と復興を分けるという発想は理屈ではよくわかるのですが、今回のマニュアルの改定その他とどうかかわるのかなという都の内部的な問題として教えていただければなというのが1点目です。

2点目は、阪神も東日本もそうなんですが、災害の規模によりますが、大きくなるとどうしても国が出てきて、よく言えばいろいろ考えてくれる。悪く言えば口を出して勝手なことをやる可能性がある。しかし、そんなに大規模でなければ出張ってこないだろう。どういう規模の災害になるかは全然わからないですが、国が出張ってきたときにどう対応するのかという都側からの働きかけの仕方を、どういうふうにマニュアルでは考えていったらいいかというのがわからない。

これも災害の規模によりけりだと思いますが、大きくなればなるほど国が災害対策本部をつくって、しゃしゃり出てくる政治家が勝手なことをやるに決まっているわけであります。もちろん都の政治家もしゃしゃり出てくるので、政治家というのはそういうものだと思いますが国との関係はどうなるのかなというのを2 点目で教えていただければと思います。

東京防災プラン2021(東京都防災ホームページPDFより) P17~

◇避難先の拡大
避難者の分散化を図るため、既存の避難所以外の新たな避難先を確保するとともに、避難スペースの拡大を推進します。
〇ホテル、大型商業施設等の民間施設の活用
〇都立施設、国立施設等の公共施設の活用
区市町村と各施設間の協定締結を促進 →発災時には関係機関や協定団体と協力し、
避難先の確保を推進
〇(小学校が避難所の場合など)体育館以外の諸室や教室等 を活用

◇避難所等の混雑緩和
東京都災害情報システム(DIS)により避難所から、開設情報や混雑情報等を入力DISに入力された情報は都とリアルタイムで情報共有されるとともに、都の防災ホームページや東京都防災アプリを通じて情報発信することで、 住民は避難する前に避難所の混雑状況を把 握することが可能となります。


以上が東京都の取り組みの抜粋です。触りだけ、参考までになります。

最後までお読み頂きましてありがとうございます。